ふくを迎えた日




「犬を飼うこと」、それは子供の頃からの私の夢だった。
しかし犬が苦手な母に許してもらえず、夢はずっと夢のままだった。
就職が決まって一人暮らしをすることになり
本気で犬と暮らすことを考え始めた頃、ふくと出会った。
とあるデパートのペットショップのショーウィンドーの中にいた
生後2ヶ月のシェルティの子犬は「セール」と書かれた値札が貼ってあった。
ヨークシャーテリアやシーズーに比べ成長すると10kg近くなるシェルティは
生後2ヶ月というのは店頭に置いておくリミットだったのかなと思う。
子犬は2頭いてかわりばんこに抱かせてもらった。
そのうちの1頭が私の手をなめてくれた。
直感で、この子を飼おうと決めていた。
当時、犬を選ぶための知識など全く無かった。
シェルティという犬種は前から決めていたが
いわゆる衝動買いに近かったと思う。

一旦家に帰り、家族と相談してその日のうちに再度迎えに行った。
あまりの即決振りにショップの方も驚いていたようだった。

ちっちゃな箱に入ってやってきた子犬を見て、
以外にも母が「かわいい」と興味を示したのにはちょっと驚いた。
この手の話はよく聞くが、「嫌い」と言っていてもいざ飼ってみると
母はふくにかなりメロメロになっていった。

ふくが我が家にやってきた日はちょうど秋祭りの日で
街は御輿が練り歩き、にぎやかだった。
お祭りの日に来たということで、「福」を持ってきてくれる犬
という意味で「ふく」と名づけた。
これが我が家の「ふくむすめ」の始まりとなった。

衝動買いだったので性格等事前に調べることもしなかったが、
運良くふくは家庭犬としては「いい子」で人に攻撃的になることもなく
病気らしい病気もしないですくすく成長していった。

 

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