男の子−1




子犬が生まれて1週間がたった。うちに残すことにしたトライの女の子以外は
断尾をするため獣医さんに連れて行った。
先生は1頭ずつ身体をチェックし、尻尾の付け根を輪ゴムできつく縛っていった。
こうすることで尻尾が壊死して自然に落ちるのだそうだ。
外科的処置をして切る先生もいらっしゃるそうだ。

1頭だけ生まれた男の子の番になったとき先生の手が止まった。
「この子はちょっと弱ってるね。もたないかもしれないよ。」と言われ、
一瞬頭が真っ白になる。生まれたときも一番大きくてよく泣く元気な子なのに・・・。
先生は念入りに骨格等を調べてこう言われた。
「先天的にこの子は顎の骨が離れていて、うまくお乳が吸えないから弱っている。
人工哺乳してやって持ちこたえられれば成長とともに骨も出来てきて
自力で食べられるようになるだろう。」
確かに一番大きく生まれた子なのに、ほかの子に体重を超されていた。
よく泣いて元気な子だと思っていたが、それはお腹が空いてるのに
うまくお乳を飲めなかったからなんだ。

病院で注射器と胃に直接ミルクを入れてやるためのチューブをもらい
人工哺乳の仕方を教わって連れて帰った。
ものすごく心配ではあったが、子犬は元気があり、チューブを使わなくても
注射器で口に流し込んでやると一生懸命飲み込んでいたので
大丈夫だと信じていた。

 

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